2022/10/21
第77回福岡県美術展覧会 会員の部受賞作品紹介
寂 | 山本文房堂賞
雨上り朝の散歩で、ある松の樹皮の美しさに息を呑みました。宇宙があると思いました。色、形は抽象の世界でした。スケッチは困難を極めとても思い通りには行かないものでした。抽象画家の気分でひたすら松の幹の表面を描き続けました。その松は先が曲がりくねり地に着き、起き上がっており龍の姿に見えます。
Sparkle | 福岡県美術協会賞
光彩(美しく輝く光)という意味の題名をつけました。夏の自然の中に、瞬間的に現れる幾重にも重なる光の粒と、その余韻を表現したいと思い描きました。強くも儚い、煌めきを感じていただけたら幸いです。
このような賞を頂戴し、大変光栄に存じます。これを励みに、今後も制作に精進して参ります。
このような賞を頂戴し、大変光栄に存じます。これを励みに、今後も制作に精進して参ります。
時の迷路 | 福岡県美術協会賞
その時々の新聞、書物などをヒントに想像を膨らませ、思いついたモチーフをキャンバスに描き込んでいきます。今回の絵画は画面に廃棄されたものを配置し、環境問題などの危うさ、解決の糸口が見えない空しさを表現してみました。物語を創り空想の世界を楽しむのは鑑賞する側で、それぞれに物語ができれば幸いです
Leon's afternoon | 山本文房堂賞
思いがけずに、素晴らしい賞をいただき、関係各位の皆様方に心より御礼申し上げます。最近は、顔ばかり描いております。様々な顔を描きながらも、全ては自画像なのかな?とも思います。
絵は、これからも日々揺れ動く弱き自身の心を映し出す鏡のような物かもしれません。描く事で、救われているのでしょう。日々精進致します。
絵は、これからも日々揺れ動く弱き自身の心を映し出す鏡のような物かもしれません。描く事で、救われているのでしょう。日々精進致します。
alive | 青木寿賞
この度は、青木寿賞を賜り誠にありがとうこざいました。
「alive」というタイトルには生きているという意味があり、抽象的な表現ではありますが、生命や細胞を意識しています。
まだまだ模索しながら制作している日々ですが、悩みながらも作品は正に生きていることを実感しながら描きました。
「alive」というタイトルには生きているという意味があり、抽象的な表現ではありますが、生命や細胞を意識しています。
まだまだ模索しながら制作している日々ですが、悩みながらも作品は正に生きていることを実感しながら描きました。
夜風に乗って | 安永良徳賞
作品を制作している際に、「今作っているこの像に、命が吹き込まれ、動きだしたら楽しいだろうな」と思うことがあります。姉のようであり友達のようであるこの像が、夜のアトリエで動き出し、おしゃべりして一緒に遊び回ることができたら、なんて楽しいだろうとワクワクします。
光の結晶 | 冨永朝堂賞
植物は太陽の光で大きくなる。大きく育った植物は光の塊で出来ている。動物は植物を食べて生きている。光の塊を食べて生きている動物も太陽の光で出来ている。動物、植物を問わず全ての生き物は光の力で出来ていることに私は気が付いた。全生命体のシンボルとして「光の結晶」を制作した。あなたの体も光で出来ている。
「内包するかたち~floating~」 | 豊福知徳賞
今回の制作においては、外見的な形状だけでなく、その形を形成している内の形、内の空間を意識しました。また、作品を浮かせることで、逆に重力を意識する表現を試みました。
「彫刻的な視点(感性)で生きる」との恩師の言葉の意味を問い続けた日々。「彫刻はでこぼこのお化けぞ」との師の声が、今日も表現の可能性を探り続ける道を示しています。
「彫刻的な視点(感性)で生きる」との恩師の言葉の意味を問い続けた日々。「彫刻はでこぼこのお化けぞ」との師の声が、今日も表現の可能性を探り続ける道を示しています。
藍生葉染め 両緞織 | 豊田勝秋賞
作品の水浅葱色は、藍の生葉で染めます。生葉染めは、藍を刈り取り、染液を作り、糸を浸し、絞り、空気・水にさらして、緑から青へと変化していく。夏の作業です。両緞織は、沖縄の織物の技法で、織りを始めた頃から取り組んでます。
今回は、少ない色数と同色の縞で、深みのある表現ができたと思います。
今回は、少ない色数と同色の縞で、深みのある表現ができたと思います。
青磁鉢 | 山本文房堂賞
この度は山本文房堂賞を授与していただき、誠にありがとうございます。大変光栄に思うと同時に、身の引き締まる思いです。今までご指導いただいてきた先生、諸先輩方に心より感謝申し上げます。今回、受賞の対象となった作品は余計な加飾を一切省き、轆轤に集中することで、自分の来し方行く末を思う為に制作したものです。
小林一茶の句 | 山本文房堂賞
会員での初受賞、夢のようです。
一茶の句が大好きで、つい作品にと選んでいます。
墨の潤渇や文字の大小は勿論、それぞれの行間の間のとり方に苦労しました。
バランスよく見栄えが有り、心に響く作品が書けるように調和体を追求して参ります。
先生、友人、家族に感謝です。
一茶の句が大好きで、つい作品にと選んでいます。
墨の潤渇や文字の大小は勿論、それぞれの行間の間のとり方に苦労しました。
バランスよく見栄えが有り、心に響く作品が書けるように調和体を追求して参ります。
先生、友人、家族に感謝です。
石川啄木の歌二首 | 福岡県美術協会賞
石川啄木の歌の心情が伝わる作品にしたい、と思いました。
原文を尊重し、変体がなをできるだけ減らし、読みやすくしたいと考えました。美しく、強く、しなやかな線と、墨の潤渇、文字の大小、疎密感にも配慮しました。
現代にも通じる啄木の孤独感と悲壮感に、手を差しのべる思いで書き続けたことが忘れられません。
原文を尊重し、変体がなをできるだけ減らし、読みやすくしたいと考えました。美しく、強く、しなやかな線と、墨の潤渇、文字の大小、疎密感にも配慮しました。
現代にも通じる啄木の孤独感と悲壮感に、手を差しのべる思いで書き続けたことが忘れられません。
漢詩 | 福岡県美術協会賞
身に余る賞に、今後の作品創作に対しての、心の襟を正しております。今迄は三、四行ものを提出してましたが、今回は初めて二行に挑戦しました。当然、字数が少ない為一字一字が主役として丁寧に表現して行かなければなりませんが、真摯に謝りたい文字がいくつかあります。今後の課題として取り組んで参りたいと思っております。
神雷の波 | 福岡県美術協会賞
神秘的な仔まいの海中鳥居、まさに海の神様の参道の様相である。
朝夕夜、潮位などにより変化する景色は何度いっても神秘的です。ポイントは、強風が吹き、黒い雲、雷が鳴り、穏やかな海も波暴れ始める。赤い海中鳥居が波にのまれない時に狙う、地球は神秘。この度は思いもよらず福岡県美術協会賞をいただき有難うこざいました。
朝夕夜、潮位などにより変化する景色は何度いっても神秘的です。ポイントは、強風が吹き、黒い雲、雷が鳴り、穏やかな海も波暴れ始める。赤い海中鳥居が波にのまれない時に狙う、地球は神秘。この度は思いもよらず福岡県美術協会賞をいただき有難うこざいました。
雨ニモマケズ | 山本文房堂賞
一日中小雨が降っていた6月でした。下校時間も過ぎ多くの子供たちも帰り、暗くなりかけた頃青い傘をさした女の子がやって来ました。傘の骨は逆さに折れ曲がり、足の指に巻かれた包帯は雨に汚れて痛々しく感じました。その子はけなげにも雨の中を黙々と歩み、家路を急ぐ姿は今でも忘れられません。
大切なもの | 山本文房堂賞
縁あって我が家の家族になった老猫のまる。
まる+家族と暮らすいつもの日常は、家族にとって最も愛おしい「大切なもの」。
漆喰をベースに、様々な素材を織り交ぜ、紡ぐ様に楽しんで描きました。
いつも家の何処かでゴロゴロしている、まるの世界を想像しながら…。
まる+家族と暮らすいつもの日常は、家族にとって最も愛おしい「大切なもの」。
漆喰をベースに、様々な素材を織り交ぜ、紡ぐ様に楽しんで描きました。
いつも家の何処かでゴロゴロしている、まるの世界を想像しながら…。
ポスター | 福岡県美術協会賞
ある時、幼い孫たちのラクガキを目にした時、これは面白いと思いました。線画の虫の絵でした。ショベルカー、花火、カエル、骸骨、お化け、怪獣、魚など次々に描きました。早速パソコンに取り込み、私の好きなように、CG 画にしました。私にとって孫のラクガキは、大切な宝物です。