わが福岡県は豊かな風土と多くの文化遺産に恵まれ、わが国の美術文化に重要な役割を果たしてきました。特に近代日本の美術界においては、青木繁、坂本繁二郎、古賀春江、児島善三郎、和田三造、中村研一、富田渓仙、山崎朝雲、冨永朝堂、豊田勝秋など、幾多の人材を輩出しております。
このような恵まれた風土に育てられた著名な美術家と地元在住の美術家によって、昭和15年、福岡県美術協会が設立されました。その後、一時期の空白をはさんで、戦後の昭和24年に復活し、以来、永く福岡県の美術文化の発展に寄与してきました。昭和62年1月、それまで任意団体であった美術協会を法人化し「社団法人 福岡県美術協会」としました。さらに、74年目を迎える平成25年4月1日付けで法令に基づく法人改革により、「公益社団法人 福岡県美術協会」に移行いたしました。現在、正会員758名、賛助会員56団体を擁しております。又、平成26年11月には永年の地域文化の振興に寄与した事で、文部科学大臣より表彰を受けました。
昨年度80周年を迎えました本協会は、福岡県美術展の共催をはじめ、福岡県シニア美術展、各地域の美術展の助成、青少年の美術教育、会員展の開催など、地域文化の発展を目指す多くの事業を行って参りました。今後もさらに福岡県内の各地域の美術活動を助成し、その普及・振興に力を注ぐと共に、会員相互の研鑽と親和を図るという目的に沿って活動して参ります。
平素の創作活動に携わりながら、美術文化全般の発展と地域文化の向上に寄与する公益性の高い事業をこれからも行っていく所存です。しかしながら私達会員の取り組みだけで、これらがなされるということは決してありません。私共協会では、賛助会員制度を設け、各界各層の方々にご理解とご助成を賜り、目的達成のための大きな力とさせていただいております。ご協力を賜りました皆様に、ここに深く感謝の意を表する次第です。
令和3年7月1日