2018/9/30
第74回福岡県美術展覧会 会員の部受賞作品紹介
Etoile filante | 福岡県美術協会賞(2018年 第74回)
"流れ星"という意味の題名を付けたこの作品は、一瞬に変化したり消えてしまったりする輝きを表現したいと思い制作しました。女性が瞬間でみせる表情の美しさや感情のうつろう様、また日常の中に存在する尊い瞬きを感じて頂ければ幸いです。これを励みに、今後も制作活動に精進したいと存じます。
サイズ:F80号
サイズ:F80号
昨日に捨てた嘘 | 福岡県美術協会賞(2018年 第74回)
数年前に4歳で謎の病により亡くなった飼い猫や動物園で狂ったように壁に頭をぶつけている縞馬の姿を見て以来、人間と共存する物言えぬ動物達の訴えや生きる喜びを表現したいと思うようになりました。しかし、今は自分の中にある怒りや悲しみを動物の姿を通して表現しているように思います。
サイズ:F50号
サイズ:F50号
柔和忍辱衣 | 福岡県美術協会賞(2018年 第74回)
春先から秋のいずれかの公募展出品作品用にと印稿の推敲を重ねてきました。8月初旬に日中平和友好条約締結40周年を記念する兄の個展が中国文字博物館(安陽市)で開催されました。その折、中国文字博物館と殷墟の第一級文物も鑑賞しました。帰国後、それらの貴重な体験の触発を受けて、金文で伸びやかに力強く表現しました。
サイズ:39㎝×30㎝
サイズ:39㎝×30㎝
間行 | 福岡県美術協会賞(2018年 第74回)
清々しい初夏の風をイメージして、いつもより自然体に書いた作品ですが、まだまだ課題がありそうです。書作品に重要な線美、造形美、全体構成を重点におき、更に修練を重ねていきます。
サイズ:縦51㎝×横182㎝
サイズ:縦51㎝×横182㎝
思い出の番犬 | 福岡県美術協会賞(2018年 第74回)
会員の部での賞、ありがとうございました。今回の作品はフォトショップを使っての画像処理で表現しています。車は多分ポルシェだと思いますが、シートでグルグル巻きにされ黒い犬が車を守っている様に見えました。
サイズ:全紙
サイズ:全紙
ニコチンマン | 福岡県美術協会賞(2018年 第74回)
禁煙ポスターが出来ないかと思いを巡らせているうちに火花と共に吸い殻とマリオネットが合体し、「ニコチンマン」が降りて来た。まとめようにも遠近感が理屈に合わない、それでも絵として面白ければ良い。禁煙などの文字が無い方が見る人が自由に受け取りやすいハズだ。
出来ればタバコの害について考えてくれたらと願う次第。
サイズ:B0
出来ればタバコの害について考えてくれたらと願う次第。
サイズ:B0
マイクロ プラスチック | 青木寿賞(2018年 第74回)
プラスチック製品の大量生産により、自然に戻らないプラスチックは海洋汚染を引き起こし、生態系に悪影響を及ぼしている。世界では年間1200万トンものプラスチックごみが海に流出しているという。波や紫外線に砕かれた5ミリ以下のマイクロプラスチック、生命への危機が報道されている。環境問題に思いを馳せ描きました。
サイズ:S50号
サイズ:S50号
大口の末裔~ヤマイヌ | 冨永朝堂賞(2018年 第74回)
県展では日本の動物をモデルとした作品を出品しています。今回は絶滅種ニホンオオカミを制作しました。明治期には記録が途絶え、資料も骨格や剥製などで復元には苦心しました。タイトルは狼を神格化した神様、大口真神の末裔との意味で、狼が日本の環境に適応して小型になり山犬と呼ばれるようになったことを表しています。
サイズ:縦115㎝×横19㎝×高さ50㎝
サイズ:縦115㎝×横19㎝×高さ50㎝
雨が染こんでいく | 安永良徳賞(2018年 第74回)
見たもの感じたものを樟に形づくれるか自問自答する日々です。樟と向き合うと自分の存在や人の営みについて考えることができます。今回、空から降ってきた雨が大地に戻り生命を育む様子と自分の中のもう一人の存在が芽生えていく感覚を重ね合わせてかたちづくりました。自分の中の変化を楽しみながら制作したいです。
サイズ:40㎝×40㎝×70㎝
サイズ:40㎝×40㎝×70㎝
小倉縮着物「映」 | 豊田勝秋賞(2018年 第74回)
夏の着物としての小倉縮。透明感のある白地に涼やかな配色で細縞を動かしました。生絹の白に配した細縞のピッチを変化させることで、着物という形をとった時に、あるいは身に纏われて立体となった時に、軽やかなリズムを生んでくれることを期待しています。色をいただいた草木の命や、自然の光や音に思いを寄せられる作品でありたいと。
サイズ:仮仕立着物
サイズ:仮仕立着物
向う岸 | 山本文房堂賞(2018年 第74回)
有明の川辺が、季節や潮の干満で千変万化する。いつも心奪われ自然に感謝し、描き続けてきた。今回は理屈抜きで、心の中に集積されている自然を愛しい思いで描いた。向う岸に見え隠れするまだ見ぬ景を夢想しながら。稚拙な作品だが自分の感動が観る人にも伝わるものなら、こんな嬉しく有難い事はありません。
サイズ:F60号
サイズ:F60号
カクサンノトキ・2018 | 山本文房堂賞(2018年 第74回)
3年前この眼で福島を歩いた。人影の無い静かな廃虚、立入禁止のロープ、赤い旗、大きな黒い袋の山々、文明の恐怖にさらされている「カクサンノトキ」。線、面、色、わずかな隙間から思いも寄らぬ風景が現れる。ただ現実の表層を切り取っただけの表現に終わりたくない。世界はまだ私を誘発する。私の気力がいつまで保つかである。
サイズ:50号
サイズ:50号
鉄釉線文器 | 山本文房堂賞(2018年 第74回)
今回の作品もずっとやってきた仕事です。最近になって精度が少し上がってきたと思います。やっと轆轤で思うような形が出来るようになって、今回の下膨れの好きな形が出来ました。線での表現も精度に気をつけて、慎重にやっています。昨今は綺麗なものが流行っているようですが、地味ではありますが存在感があるような作品を目指します。
サイズ:縦30㎝×横30㎝×高さ41㎝
サイズ:縦30㎝×横30㎝×高さ41㎝
八一の歌 | 山本文房堂賞(2018年 第74回)
思いがけずの受賞の連絡を頂き、大変光栄に存じます。日頃から作品制作では、言葉を大切にしたいと思っているのですが、題材に頂いた世界をいかに自分が捉え、感性を通し、自らの書表現として投影するかを工夫することに悩む連続であったことを振り返っています。今後の制作意欲に繋がる契機となったことを感謝いたします。
サイズ:縦51㎝×横182㎝
サイズ:縦51㎝×横182㎝
潮騒 | 山本文房堂賞(2018年 第74回)
山陰地方で育ったせいか、休日には海を見に行きたくなります。夜明け前から被写体を求めて、糸島の海岸を車で走らせます。作品は二見ケ浦の小島を遠景に眺めながら、波打ち際の岩と波の形が面白く、擬人化した波の表情をとらえたものです。写真に於いても絵画的な表現を心がけており、人の心に触れる作品を目指したいと思います。
サイズ:全紙
サイズ:全紙
WORK´2018 | 山本文房堂賞(2018年 第74回)
ことデザインの分野では、パソコンのソフトがあれば、様々な表現が、繰り返し修正できる。手描きの作品は、それらの利点から程遠いが、一回起性ゆえの偶然が生じる。良く言えば、作為の少ない自然の風景に近い結果を得る場合もある。今回の受賞は、表現に用いた段ボールという素材が、テーマとの親和性を有したことに加え、その偶々に由来するところが大きいと考える。
サイズ:B1
サイズ:B1